国民年金をわかりやすく説明 第5回【海外に住んだら年金はどうなるの?】

国民年金
リツ
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こんにちは!リツです。
ファイナンシャルプランナーです。

身近な年金だけどわかりにくい年金制度について、わかりやすく回を追って解説していきます。

今回は、海外に住んでいる人、これから住む予定の人の年金は一体どうなるのかを解説します。

海外に住むと年金はどうなるの?

日本の国民年金は、企業や公務員として勤めていない場合、第1号被保険者として加入します。

この第1号被保険者になるためには「国内に住所がある」という条件があります。

ですから、海外に住んでいる人で国内に住所がない人は国民年金に入っていない状態です。

もちろん、これから海外へ移住を考えている人も国内から住所を移してしまうと国民年金から外れてしまいます。

日本に国籍があって海外に住む場合、長期滞在(1年以上)であると海外転出届を市町村窓口に出します。

いわゆる転出届の海外引越し版なのですが、この手続きをすると日本の住所はなくなり、海外の引っ越し先の住所に変わります。

国民年金の老齢基礎年金(いわゆる年金)をもらうためには、年金保険料を支払った及び支払ったとみなされる期間が10年必要です。
あわせて、国民年金の満額をもらうためには、40年(480月)の実際の支払期間が必要です。
また、日本の20歳以上の学生には、学生納付特例制度といって、学生の期間は年金保険料を支払うことが免除してもらえる制度がありますが、海外留学する20歳以上の学生は、この学生納付特例制度の利用ができないので注意が必要です。

任意加入するとどうなるの?

海外に住み国内に住所がなくなると、年金をきちんともらうための支払期間を満たせない恐れも出てきます。

そういったデメリットを防ぐために、国民年金へ任意加入し被保険者になることができます。

関連記事はこちら⇒年金がもらえないかも!そんな不安を解消する任意加入被保険者

任意加入被保険者になり、きちんと年金保険料を支払うことで、海外に住んでいても「歳を取ったとき」「障害を負ったとき」「死亡したとき」には国民年金の中からそれぞれの基礎年金を受けとることができます。

また、付加保険料を支払って老齢基礎年金を増やすこともできます。

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もしも、任意加入被保険者にならずに海外に住んだ場合、海外に住んでいる期間は、老齢基礎年金の対象期間(合算対象期間)に計算されますが、実際の支払いがないので、老齢基礎年金の額は支払った年月分になります。

例えば、国内で1年間保険料を支払って、9年間任意加入被保険者にならず海外に住んでいると、老齢基礎年金をもらえる資格の10年は満たしますが、老齢基礎年金は1年分しか受けとれません。

手続きはどうすればいいの?

海外に住んで「年金がもらえない」という事態を防ぐためにある制度が、国民年金の任意加入という仕組みです。

この制度は、海外に住んでいる人、これから海外に住む人が、日本の国民年金制度の仕組みを使えるようになっています。

対象者
日本国籍がある人、
その他政令で定める人で、日本国内に住所を持っていない20歳以上65歳未満の人


それぞれ、手続きの場所や方法が違います。

これから海外へ住む人の手続き

〇手続き時期:海外へ移住する前に手続き
〇手続きする場所:お住まいの市町村窓口
〇保険料納付方法:国内に住んでいる親族等が本人の代わりに納付、もしくは日本の本人預貯金口座から納付
〇手続きに必要な物:マイナンバーもしくは通知カード、本人確認できる物(運転免許証など)、年金手帳、印鑑、国内にある預貯金口座(引き落とし希望者のみ)、金融機関届印

すでに海外に住んでいる人の手続き

〇手続きの時期:年金保険料の支払い期間が足りないと気づいた時
〇手続きする場所:日本国内における最後の住所地を管轄する年金事務所または市町村窓口
〇保険料納付方法: 国内に住んでいる親族等が本人の代わりに納付、もしくは日本の本人預貯金口座から納付
〇手続き方法:方法は市町村などで対応が違います。一度問い合わせることがおすすめです。
〇一度も日本に住んだことがない人:千代田年金事務所で手続きを対応しています。

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これから海外に住む人、すでに海外に住んでいる人どちらも、委任状を提出するれば代理人が申請できます。
詳しくは、該当する市町村窓口、年金事務所へ問い合わせてみましょう。

任意加入被保険者になった後の注意点

◇年金保険料を支払っていない時
任意加入被保険者になった後、年金保険料を支払っていない場合は年金額に反映されません。
また、支払わずに2年間が経過した時は、その翌日から任意加入被保険者の資格を失います。

◇帰国した時
帰国して住所地を日本国内に戻した場合は、任意加入被保険者から強制被保険者に変わります。
この場合、自分で手続きが必要です。
すぐに勤める場合は、勤め先で第2号被保険者の手続きを行います。
すぐに勤めない場合は、国内に転入届を出した市町村窓口で第1号被保険者の手続きを行います。
第2号被保険者になる人で被扶養配偶者がいる人は、自身と合わせて勤め先で第3号被保険者の手続きを行います。

◇年金保険料を前納した時
前納した保険料は、前納した期間内の経過月からそれぞれ納付されたものとみなされます。
ただし、前納した期間内に被保険者資格を失った場合は、未経過月分を請求して還付してもらえます。
また、前納期間内の未経過月分の還付を請求しない場合は、引き続きその期間内も被保険者として支払い済み期間とされます。

◇日本国籍ではなくなった時
日本国籍から外れた時は、外れてたその翌日から任意加入被保険者の資格がなくなります。

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