国民年金をわかりやすく説明 第6回【学生は国民年金保険料を免除してもらえる】

国民年金
リツ
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こんにちは!リツです。
ファイナンシャルプランナーです。

身近な年金だけどわかりにくい年金制度について、わかりやすく回を追って解説していきます。

今回は、学生の時保険料免除されていた人、また、現行制度の20歳からの学生の保険料免除について解説します。

年金の受給資格期間に気をつけて!

国民年金の老齢基礎年金をもらうためには、「実際に支払った期間」と「支払ったとみなされる期間」が合わせて10年必要です。

これを、受給資格期間といいます。
ねんきん定期便で受給資格期間の欄が10年以上あれば、年金をもらえる資格、受給資格があるということです。

問題なのは、受給資格期間が10年ない人はもちろん、受給資格期間が10年以上ある人も「支払ったとみなされる期間」です。

国民年金で支払ったとみなされる期間とは

「支払ったとみなされる期間」は年金額には反映されませんが、年金をもらえる資格は認められる期間です。この期間は現在の法律で大きく分けて5つあります。

実際に年金保険料は支払っていない、もしくは減額分しか支払っていない場合について 年金の受給資格期間と認められる期間=「支払ったとみなされる期間」

1.学生納付特例…所得基準を下回った学生が在学中に年金保険料を免除される(学生本人のみが対象)

2.保険料免除…本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額を下回っていたり、失業した場合に年金保険料を免除される

3.納付猶予制度…20歳以上50歳未満で本人・配偶者がの前年所得が一定額を下回っていた場合に年金保険料を免除される

4.産前産後期間免除…出産予定日・出産日の属する月(出産予定月)の前月(多胎妊娠の場合は3カ月前)から出産予定月の翌々月までの期間は免除される。(平成31年2月1日以降に出産日(妊娠85日、4カ月以上)を迎えた人が対象)

5.合算対象期間…法律の改正のため加入できなかった人たちを受給資格があると認めて、受給できるようにした期間

今回は、この中の1の学生納付特例と5の合算対象期間に含まれている学生任意加入について解説します。

50代以上は必ず確認!学生時代の任意加入とは?

平成3年3月31日まで、20歳以上の学生は在学期間中、国民年金の加入は強制ではなく任意加入でした。

学生の間はわざわざ任意加入する人も少なく、加入率もそれほどではありませんでした。
ですから、この期間、未加入で保険料を納めていない人は多く存在します。

そして、年金を受給できる資格は「実際に支払った期間」+「支払ったとみなされる期間」で10年必要です。

法律の改正のために、この「10年が満たされない」ということがないよう、学生の間に任意加入しておらず、年金保険料を支払っていない期間も、「支払ったとみなされる期間」に入れることにしました。
これによって、受給資格期間が満たされる人は多くなりました。

ところが、老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の40年(480月)すべての期間で年金保険料を支払っていないと満額で支給されません

合算対象期間として、受給資格期間は満たされたとしても、年金保険料は支払われていないので40年(480月)に満たないという人が多く出てきます。

例えば、20歳以上の大学2年生から大学4年生までが未納であると、
この未納期間分は、受けとることができる老齢基礎年金額から対象外になります。

50代以上で、20歳になってから学生時代に年金保険料を支払った記憶がない方は、自身の加入状況を一度近くの年金事務所に確認に行かれることがおすすめです。

なぜなら、送られてくるねんきん定期便は、完全な加入状況を記しているものではなく、誤りや漏れもあるからです。

60歳で被保険者の資格がなくなっても大丈夫!まだ加入できる

第1号被保険者である人(自営業者・フリーランス等)は、60歳になると被保険者資格がなくなります。

関連記事はこちら⇒きちんと知っておこう!自分の国民年金の被保険者種類

そうすると、支払っていない保険料があり、満額で老齢基礎年金がもらえない人は老後を少ない年金で生活しないといけなくなります。

学生時代に任意加入していなくて、年金保険料を納められずにいた人も老後が心配です。

その不安を解消するのが「任意加入被保険者」です。

関連記事はこちら⇒きちんと知っておこう!年金受給資格期間と納付済対象期間

「任意加入被保険者」は国内に住所があれば60歳以上65歳未満の人も加入できます

学生時代に年金保険料を納めていなかった期間を埋めることが可能です。

これは、もらえる老齢基礎年金を満額もしくはそれに近づけるために、自分で申し出て加入する制度です。
この制度に加入することで、受給資格期間が10年が満たせたり、老齢基礎年金額を満額まで増やしたりすることができます。

また、昭和40(1965年)年4月1日以前に生まれた人で、65歳になっても受給資格期間が10年ないという人は、65歳以上70歳未満が加入できる「特例による任意加入被保険者」という制度もあります。
こちらは、増額のためには加入できません。あくまでも受給資格期間が10年ない人のための制度です。

こちらも自分で申し出して加入します。

「任意加入被保険者」の人で、65歳に達した時点で受給資格期間が10年ない場合は「特例による任意加入被保険者」に申し出があったとみなされることになっています。

現在の学生納付特例とは?

現在50歳以上の人は、20歳以上の学生のお子さんがいらっしゃる人も多いと思います。

現在の法律は、学生向けの年金保険料免除制度「学生納付特例」が設けられています。


親としても、学費はもとより仕送りなどで支出がかさむこの期間に、国民年金保険料まで払えず、とはいっても安定した収入のない子どもに支払わせる訳にもいかない人も多いはず。

また、自分自身で学費を払って生活している学生にとっても、安定した収入を得るまでは負担が軽くなり助かります。

我が家も20歳以上の学生がいるので使ってます。

卒業(すると、免除された学生宛に保険料の納付を求めるお知らせが郵送されてきます。
支払いは月々から一括まで選べます。

平成3年4月1日より、学生は在学期間中であっても国民年金の強制加入の対象になっています。

20歳になる頃に住民票を登録している市区町村から国民年金の加入についてお知らせが送付されます。

ところが、学生本人は学業が本業のためアルバイトをしていたとしても収入は安定していません。
そこに国民年金の年金保険料を支払うのは負担が大きいと考えられ、学生には納付特例という制度が設けられています。

学生納付特例には所得の条件がある

学生納付特例には所得基準が設けられています。

学生納付特例の所得基準
1.学生本人の所得。家族等の所得は対象外。
2.前年の所得が「118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」を下回る

学生の範囲は…
大学・大学院・短期大学・高等学校・高等専門学校・特別支援学校・専修学校及び各種学校等に在籍している学生、夜間部や通信制も対象で、ほとんどの学生が対象範囲になっています。


働きながら学校に在籍している人で、所得の条件から外れている人は、住民票を登録している市区町村の税務課窓口で市区町村税を申告してから「学生納付特例」の申請手続きをします。

詳しくは、住民票を登録している市区町村で教えてもらえます。
わからないことは問い合わせてみてください。

学生納付特例の申請をすることで、国民年金に加入していることになります。
学生納付特例は申請が遅れると、申請日前の不慮の事故や病気で障害を負ってしまったときの障害基礎年金が受け取れないことがあります。

学生納付特例の申請手続きについて

学生納付特例は申請日に関わらず、4月から翌年3月 (申請日が1~3月の場合、前年の4月から3月まで) の期間のうち必要と認められる期間を対象としています。

納付期限から2年経っていなければ、遡って申請することもできます。

申請書類と手続き場所

申請書類
申請用紙(提出用、学生証・在学証明書添付用:日本年金機構サイトからダウンロードしできる)、年金手帳または基礎年金番号通知書、学生証(有効期限・学年・入学年月日の記載がある面も提出)もしくは在学期間がわかる在学証明書

手続き場所
近くの年金事務所、住民票を登録している市区町村窓口
在学中の学校(学生納付特例の代行事務の許認可を受けている学校)

免除期間が終わったら早めに追納しよう

学生納付特例が承認されると、その承認された月から10年以内であれば、追納ができます。
この追納できる期間中に、学生納付特例で免除された期間の年金保険料を支払います。

追納された年金保険料は、追納期間分が受給資格期間と年金額の計算に反映されます

追納とは後払いのことです。

例えば、平成31年(2019年)4月に学生納付特例の免除の承認を受けた場合は令和11年(2029年)4月末までが後払いの対象期間になります。

対象学生は、卒業以外は学生でなくなったことの届け出が必要です。日本年金機構に届け出ないといけません。

追納は後払いなので、学生納付特例の承認を受けた時とは年金保険料が違います。

承認を受けた年度末から2年経つと、3年度目以降の年金保険料には、承認当時の年金保険料に経過期間分の加算額が加わります。
ですから、学生である期間が終了したら早めに追納することがおすすめです。

追納された年金保険料は、承認された期間の古い年月から充当されていきます。

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